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空き家で起きている犯罪と危険性

空き家で起きている犯罪と危険性

空き家が増加する社会的背景

近年、日本国内における空き家の数は増加の一途をたどっています。

これは、高齢化社会の進行や人口減少が主な要因とされています。

更に、若者の都市部への流出により、地方では特に空き家が目立つようになっています。

統計データに見る空き家の現状

総務省の統計によれば、全国の空き家率は年々上昇しており、総務省の統計では2023年に空き家率が13.8%に達しているとのデータが出ています。

特に、地方都市では空き家率が20%以上に達し、山梨県(21.3%)、長野県(20.5%)、和歌山県(20.3%)と約5件に1件の住宅が空き家となっている地域も存在します。

次章では、これらの住宅が空き家として放置されることの問題と危険性を実例を元に解説します。

放置された空き家の危険性

窃盗

空き家は人の出入りが少ないため、窃盗犯に狙われやすいです。

家財道具や貴金属などが盗まれるケースが多く報告されています。

特に長期間放置された家屋は、犯罪者にとって格好の標的となります。

不法侵入

空き家であっても他人の家に無断で侵入することは犯罪であり、住居侵入罪に該当します。

不法侵入のケースでは、空き家を占拠して住み着く事例もあり、こういったケースでは不動産侵奪罪に該当します。

これらのケースは決して珍しいことではなく、庭の草木が伸び放題になっている、郵便物がポストに溜まっているなど、外観から人が住んでいないと容易に判断できてしまう空き家は、不法占拠の格好のターゲットとなってしまいます。

放火

放置された空き家は、放火犯に狙われやすいです。

実際に空き家が放火される事件も発生しており、周囲の住宅に延焼する危険性もあります。

放火は重大な犯罪であり、罪も非常に重く設定されておりますが、それでも令和4年度の放火発生件数は2,000件を超えており、断定できていない事例も含めると、更に多くの件数となることが予想されます。

ゴミの不法投棄

管理が行き届かない空き家は、不法投棄の温床になりやすいです。

家電製品や家具などの粗大ゴミだけでなく、中には有毒な成分を含んだ危険な産業廃棄物が捨てられるケースもあります。

こういった不法投棄物を放置すれば、景観や治安の悪化を招き、地域住民の方に多大な迷惑をかけることになります。

殺人・死体遺棄

人通りの少ない場所に建っている空き家は、殺人や死体遺棄の現場として利用されることもあります。

殺人事件が起きた地域では、心理的な不安感や事件現場として広く知られてしまうことによるイメージダウンの影響で、不動産価値が下がる傾向があります。

また、事件の起きた空き家は事故物件として取り扱われることになってしまう為、いざ売却・譲渡をしたいとなった際に、非常に重い足枷となってしまう可能性もあります。

その他の空き家リスク

火災のリスク

空き家では、放火とは別に、適切な管理がされていない場合でも火災が発生するリスクもあります。

老朽化した電気設備の漏電、ガス設備のガス漏れなどが原因となることで火災が発生します。

構造的な崩壊のリスク

人が長期間住んでいない住居は老朽化が早まる傾向にあります。

老朽化が進んだ空き家は、台風や地震などの自然災害時に崩壊する可能性も高く、近隣住人に危険が及ぶことも考えられます。

衛生問題と害虫の発生

空き家は衛生管理が行き届いていないことが多い為、ゴミの堆積や害虫の発生が問題となることもあります。

ネズミやゴキブリなどの害虫・害獣が繁殖することで、周囲の住環境に悪影響を及ぼす可能性があります。

植栽の越境問題

空き家の管理が行き届かないと、庭木や植栽が伸び放題になり、隣家へ越境してしまうことがあります。

枝木や落ち葉が隣家の敷地に入ったり、日当たりを遮ったりと、ご近所トラブルの原因になる可能性も高いです。

空き家問題の解決策

以上のことから、空き家は放置することで様々な犯罪の温床となり、地域社会に深刻な影響を与える可能性があることがわかります。

今回の章では、空き家問題を解決する為の対策を紹介していきます。

空き家バンクの利用

空き家バンクとは、各自治体が運営する空き家の売買・賃貸を仲介する制度です。

空き家の所有者と、空き家を活用したい人をマッチングさせることで、空き家の有効活用を促進します。

空き家バンクを利用することで、所有者は空き家の処分に困ることなく、利用者は比較的安価で住宅や店舗を手に入れることができます。

地方自治体によっては、空き家バンクの利用者に対して補助金制度を設けているところもあり、空き家問題の解決に積極的に取り組んでいます。

リノベーションと再利用

老朽化した空き家をリフォームし、新たな住居や店舗として再利用する動きも活発になっています。

古民家を改装してカフェや宿泊施設にするなど、地域の魅力を生かした活用方法も注目されています。

空き家のリノベーション・再利用は、地域経済の活性化にもつながり、雇用創出や観光客誘致などの効果も期待できます。

具体的なリノベーション事例はこちら(空き家を宝の家に変える!不動産専門家が明かす驚きの活用事例)の記事でも解説しています。

まとめ

今回の記事では、空き家を放置することの危険性について解説しました。

この記事が、空き家問題について考えるきっかけとなれば幸いです。

現在、空き家の問題でお困りの方は、行政や地域コミュニティ、不動産会社等に相談することで、問題や不安な点を解決・解消できる可能性があります。

弊社の方でも問題解決に向けたご相談を承っておりますので、お困りの方はこちらのお問合せフォームよりお気軽にご連絡ください。